適正な労働時間管理と業務効率改善を目的に導入。
労働環境の改善と人時生産性の把握により更なる顧客サービスレベルの向上を図る。
株式会社京王ストア様は、地域密着型のスーパーマーケットチェーンとして、長年にわたり地域の暮らしを支えていらっしゃいます。2008年からPRO_STAFF-α人事・給与をご利用いただいておりましたが、2,000名を超える従業員の適正労務管理と業務効率化を目指して、2015年6月より新たにPRO_STAFF-α就業とWebオプションを導入いただきました。今回は、多数の店舗とパート・アルバイトを抱えるスーパー業界ならではの課題や改善策についてお話を伺いました。
課題と解決策
- 課題
- ・ AS/400での就業管理をやめ、36協定を遵守した適正労務管理を行いたい
- ・ 人時生産性を把握したい
- ・ 複数の店舗をまたいで勤務した実績を正確に把握したい
- ・ シフト管理の効率化を図りたい
- ・ 有期契約者の雇用契約書作成にかかる膨大な手間を削減したい
- 解決
- ・ PRO_STAFF-α就業Webオプションの導入で、出退勤時間と勤務実績の乖離時間管理や、36協定アラート機能による適正労務管理を実現
- ・ 人時生産性の分析に必要なデータの出力機能を追加し、売上管理システムと連携することでリアルタイム把握が可能となった
- ・ タイムレコーダーと連動した応援勤務管理機能により、店舗ごとに正しい労働時間管理が可能となった
- ・ Web上でシフトの登録・確認ができ、予実管理も可能になった
- ・ システム上で雇用契約書を作成し、PRO_STAFF-α人事・給与・就業へデータ連動することで大幅な業務効率化を目指す
背景
適正労務管理を目的にシステムの入れ替えを検討-PRO_STAFF-α就業/Webオプションの導入を決めた背景についてお聞かせください
当社は、2008年にPRO_STAFF-α人事・給与を導入しましたが、勤怠は従前から利用していたAS/400のシステムをそのまま継続していました。しかし、適正な労務管理を行う上で課題の多いシステムだったこともあり、2014年に経理システムをAS/400から切り離すタイミングで、就業管理も刷新することになりました。
数社のパッケージを比較検討しましたが、人事・給与と勤怠システムは一体化が望ましい点と、システム構築や運用面で信頼できることが一番と考え、PRO_STAFF-αで長年献身的にサポートをしてくださったアイテックスの就業システムに決定しました。
選定理由
5つのテーマで労働環境改善を推進-今回のシステム更改におけるポイントについて、詳しく教えてください
新システムの導入にあたっては、かねてから課題となっていた1.適正労務管理の実現、2.人時生産性の把握、3.応援勤務の実績管理、4.シフト作成の効率化、5.雇用契約業務の効率化をテーマに、大幅な業務改善に取り組みました。
- 1.アラート機能などの活用で適正労務管理を推進
- 従前の就業システムは、出退勤時刻などを店舗の事務担当者が修正できる仕様であったり、36協定のチェック機能がないなど本来管理すべき項目や機能が備わっておらず、必ずしも法令を遵守した管理が行えているとは言えない状況にありました。
そこで新システムでは、勤務状況の記録をしっかり取り、法令に則った適正な労務管理を行うことを目指しました。例えばPRO_STAFF-α就業Webオプションは、あらかじめ設定した36協定の限度時間に応じてアラートが表示されるため、協定違反を未然に防ぐことが可能になりました。
また、これまで残業申請の提出状況については、人事労務担当者が毎月2,000名分の出退勤時間と実労働時間を手作業でチェックし、申請書の未提出者に提出を促していましたが、漏れがあったりチェックに2~3日かかるなど運用面で大きな課題を抱えていました。しかし新システムでは、打刻漏れや残業申請未提出状況がエラーメッセージで表示されるため、人事労務担当者や店舗責任者が状況をリアルタイムで把握できるようになりました。
おかげさまで、従業員と管理者双方の意識も変わり、現場の労務管理がずいぶんと改善されてきていると感じています。 - 2.人時生産性を把握しサービスレベルの向上を目指す
- 今回、店舗における日々の労働時間とPOSレジ(販売時点情報管理機能を備えたレジ)のデータを売上管理システムに取り込み、人時生産性の管理を行いたいと考え、分析に必要な勤務実績データの出力機能を追加開発していただきました。
店舗や時間帯別に従業員の過不足を把握・分析できるようになれば、適正な要員配置が可能になり、店舗収益の向上が見込めるだけでなく、サービスレベルの平準化にもつながります。
現在、パート・アルバイトの労働時間を毎日夜間バッチでPRO_STAFF-α就業から売上管理システムに取り込んでおり、翌日には結果を確認できるようになりました。
今後は、どの時間帯のどの店舗においても、お客様が同一レベルのサービスを受けられるよう、人時生産性の分析結果を生かして、更なる顧客サービスレベルの向上を目指します。 - 3.応援勤務管理機能により店舗別利益を正確に把握
- これまで、本部の社員が店舗支援を行った際の労働時間は厳密に管理されておらず、概算で店舗に配賦していました。しかし店舗ごとに正しい営業利益を把握することが望ましいため、1日で複数の店舗をまたいで勤務した場合も、正確な店舗別労働時間をタイムレコーダーから自動取得できるよう、応援勤務管理機能を追加していただきました。店舗間の移動時間に関しては、両店舗に折半する設定になっています。
店舗における厳密な時間管理が実現したことで、より正確に人時生産性を把握できるようになりました。 - 4.シフト管理機能で予実管理を効率化
- 以前はシフト作成がシステム化されておらず、売り場のチーフが従業員一人一人にヒアリングしながら作成した勤務計画書を、店長が集約してシフト表に起こしていましたが、非常に手間がかかっていました。今回の導入でシフト登録をWebから効率的に行える上、店長やチーフがリアルタイムで予実管理ができるようになり、シフト調整など現場への指示も迅速になりました。
- 5.雇用契約業務の効率化と法令遵守の徹底を目指す
- 当社は、全国30店舗で1,800名を超える有期契約者が働いており、年間約500名の新規雇用を行っています。雇用契約書は店舗ごとに事務担当者が作成したものを本社へ郵送し、人事情報をAS/400の就業システムに登録していましたが、年2回の更新月は膨大な作業で時間を取られていた上、契約状況の法的チェックがあいまいな点も課題となっていました。
そこで雇用契約書を店舗側でPRO_STAFF-α人事から作成できるようにし、登録した人事情報を給与や就業側へ連動する機能を開発いただいています。
運用開始は5月(取材は2016年1月)を予定していますが、今後は大幅な業務の効率化が見込めるだけでなく、システム側の自動チェックで法令に則った契約締結と、契約内容に基づいた労務管理が徹底できるようになるのではと期待しています。
今後の展開
店舗への意識付けを行い環境改善を推進-導入時の苦労と今後の展望について教えてください
新システムは店舗運営に関わる部分が多いため、導入時は現場の希望を吸い上げながら、経営的視点とのバランスを考慮してシステムに反映させていかなければならず、調整にとても苦労しました。
導入から半年が経ち、店舗の労働状況が見える化されたことで、適時改善指導ができるようになりました。また様々な分析データが集まりつつありますので、今後はこれらの情報を店舗にフィードバックしながら、更なる労働環境の改善や人時生産性の向上につなげていきたいと思っています。
システム運用イメージ
株式会社京王ストア 会社概要
会社名 | 株式会社京王ストア |
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所在地 | 東京都多摩市関戸1丁目7番地4 |
設立 | 1959年(昭和34年)9月1日 |
資本金 | 4億50百万円 |
事業所 | 京王ストア 16店舗 キッチンコート 11店舗 京王ストアエクスプレス 4店舗 京王物流センター |
事業内容 | 京王ストアは、「信頼のトップブランド」を目指す京王グループ・流通部門の中核的存在として、暮らしに密着したスーパーマーケットチェーンを展開しています。 |