導入事例

日野市立病院
日野市立病院
医療機関PRO_STAFF-α500~1,000人
2017/8/31

短期導入・本稼働に成功。散在していた人事情報を一元管理することで
業務効率化とデータの有効活用を実現。

日野市立病院様は、東京都日野市の急性期300床の中核病院として、近隣及び市民の医療ニーズに応えるべく内科系、外科系、小児科、産科は24時間365日の二次救急医療体制を整え、「市民に信頼され、選ばれる病院」をモットーに日々地域医療を支えていらっしゃいます。 2016年に人事システム更改を検討されるにあたり、事前に多摩地区の自治体病院へ利用システムのリサーチを行われた中で、PRO_STAFF-α人事・給与 の導入事例をお聞きになり、採用いただく運びとなりました。

システム選定のポイントと課題

システム選定のポイント
・ 自治体病院への導入実績があること。
・ 標準機能で運用でき、コストパフォーマンスに優れていること。
・ マイナンバー対応できること。
・ スケジュール厳守で短期導入できること。
・ 経営形態の変更や各種制度改正への対応ができること。
・ スムーズなデータ移行ができること。
主な課題
・ 散在した全職員の情報を一元管理したい。
・ 雇用契約管理を効率化したい。
・ 医療事業の運営において必須要件となっている常勤換算数の算出を行いたい。
・ トラブル時の迅速なサポート体制を整えたい。

背景と選定理由

自治体病院への導入実績と担当者の対応姿勢を高く評価

-PRO_STAFF-αを導入された経緯についてお聞かせください

当院では、元々手作りのシステムで職員管理と給与計算を行っていましたが、スタッフの異動に伴う維持メンテナンスの問題や、データベースソフトの保守切れ問題などを抱えており、システムの更改が課題となっていました。

実は一度、独自の人事システム構築を目指してベンダーを決定し、プロジェクトをスタートさせたのですが、ゼロからの構築は難しく断念した経緯があります。

病院の複雑な給与計算を行うには、経験豊富なベンダーのパッケージに運用を合わせるのが最善であると判断し、まずは日頃から様々な情報交換を行っていた多摩地区のいくつかの自治体病院に、システムの運用状況をヒアリングしました。その際にPRO_STAFF-αの導入事例を聞き、早速アイテックスにお問い合わせさせていただきました。

具体的なパッケージの検討にあたっては、自治体病院への導入経験があること、コストパフォーマンスに優れていること、マイナンバー対応できること、短期導入できること、経営形態の変更や各種制度改正に対応できることなどを条件に、数社のパッケージを比較検討しました。

その中でアイテックスは、安心かつ信頼できる確かな実績があり、標準機能で運用が可能なためコストも抑えられる点が魅力的でした。また、要求に対する担当者の的確な回答やレスポンスの速さが大変心強く、全体的な評価点の高さからアイテックスに決定しました。

導入効果

散在した情報を一元管理し経営分析に活用

-導入のポイントと効果について具体的に教えてください

当院は、正規職員が約360名、臨時職員は約300名おります。正規職員は日野市の職員課が給与計算を行っており、臨時職員は当院の総務課で給与計算を行っています。人事管理においては、正規職員、臨時職員どちらも当院の総務課で管理しています。このように雇用形態によって管理手法が異なり、複雑な運用となっていました。

また、当院の人事と給与が異なるシステムの上、CSV取込が上手く機能していなかったため、基本情報の二重管理が大きな負担となっていました。そこで、PRO_STAFF-α人事・給与の導入では人材情報の一元管理と業務効率化を目指し、以下の改善に取り組みました。

◆雇用契約書管理の効率化
毎月280~300 名の臨時職員が勤務していますが、月によって職員の入れ替わりが激しく、雇用契約書の管理も煩雑なため、社員入力画面に雇用契約項目を用意し、臨時職員の契約情報を登録できるようにしていただきました。
契約書の印刷は、日野市の様式に則して我々で帳票フォームを変更できるよう、登録情報をCSV で出力し、マクロを使って加工した上で取込印刷する方法をご提案いただきました。システムから直接契約書を印刷できる方法がベストではありますが、様式が変わる度に帳票フォームの改修が発生し費用が掛かるため、コストと運用のバランスを考えた的確な提案をいただけたと思っています。おかげさまで、今のところスムーズに運用できています。
◆給与計算の効率化
当院は月末締めの15日支払いのため、実質5~6日で臨時職員約300名の給与計算を終えなければなりませんが、人事・給与情報が一元管理されていなかったため、これまでは期限ギリギリの状態でした。
しかしPRO_STAFF-αの導入により、データの登録作業が軽減され、医師、看護師、医療技術員、事務員と職種ごとに異なる30項目にもおよぶ手当計算も効率化されたことで、作業時間を1日分短縮できるようになりました。
◆情報の一元化による有効活用
正規職員の給与計算は日野市の職員課で行っていますが、実績をPRO_STAFF-α人事に取り込めるようにしていただきました。これまでは、手当分析などを行う際はあちこちに散らばったデータをかき集めなければならず大変手間でしたが、現在は全職員のデータを一括で出力できるようになりました。経営に必要な統計・分析までを一元的に行えるようになり、効率化を図ることができました。
その他にも、従来はExcelで管理していた職員のウイルス抗体価など健康診断情報も、人事システムで管理できるよう項目追加していただきました。
◆常勤換算のシステム化
医療事業の運営において必須要件となっている常勤換算のシステム化も課題の一つでした。そこで人事の雇用契約画面に週勤務時間を登録し、給与計算を回すことで常勤換算数が算出される仕組みを作っていただきました。
ただ、運用面で一部課題も出てきていますので、こちらについてはアイテックスのSEさんと相談しながら、改善していきたいと思います。

成功要因

事例と経験に基づいた要件定義により短期導入を実現

-短期導入成功の秘訣を教えてください

マイナンバー管理の絡みもあって、2016年12月からの本稼働を必須要件にしていましたが、システムの調査や選定に時間をかけていたこともあり、アイテックスに決定してから本稼働まで、プロジェクト期間が4ヶ月しかありませんでした。

非常にタイトなスケジュールではありましたが、自治体病院への導入事例をベースに、的確に要件定義を進めていただいたおかげで、手当などの管理項目や計算式などの仕様確定がスムーズに行えました。これは大変助かりました。

また、アイテックスの担当SEは病院の給与業務に精通していたため、安心してお任せすることができました。実はデータ移行に苦戦し、12月本稼働を諦めかけた時期もありましたが、この時もSEさんのご協力により、無事間に合わせることができました。

現在は、サポートセンターにも大変お世話になっていますが、提案から導入、運用保守フェーズまで、一貫してスタッフの皆さんの親身な対応に感謝しています。

今後の展開

目先の運用だけでなく将来を見据えた提案を高く評価

-今後の課題や計画について教えてください

当面は現状の運用を継続する見込みですが、いずれ正規職員の給与計算も当院で行う可能性を考慮し、あらかじめ公務員向けの項目や計算式を設定いただいております。目先の運用だけではなく、将来の保守までを見据えたご提案を頂けたことを高く評価しています。

勤怠については、現在紙のタイムカードでの管理となっており、職員約660名の集計に4日かかるなど、大きな課題を抱えています。しかしシステム化するには膨大な費用と時間を要するため、二の足を踏んでいる状態です。特に現場の状況を考えながら職種ごとに異なる勤務形態に即した制度対応や運用ルール作りは非常に困難な作業が見込まれますので、近隣病院の事例を見ながらじっくり取り組んでいきたいと思います。

日野市立病院 概要

施設名 日野市立病院
所在地 東京都日野市多摩平四丁目3 番地の1
設立 平成14年6月1日(前身である町立病院は昭和36年に開院)
病床数 300床
標榜科目 内科、循環器内科、小児科、外科、消化器外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、精神神経科(院内標榜)、歯科口腔外科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科(ペインクリニック)、救急科、乳腺外科、病理診断科 計20科